【信ずれば成る】
愛知県倫理法人会相談役 武藤弘己氏(有限会社武藤設計 代表取締役)
http://www.mutoh-sekkei.jp
Q.さっそくですが、ご入会のきっかけは何だったのでしょうか。
A.平成5年に倫理法人会のことを知り、会社の近くではどこにあるのかを東京の倫理研究所(本部)に問合せして、当時の名古屋市南倫理法人会に入会したのが始まりです。実は入会に至る7〜8年前から、自分が抱えている問題を解決したくて、さまざまな本を読み漁ったり、いろいろな人の話を聞きに行ったりを繰り返していたのです。
というのも、33歳で独立開業して以来、仕事に夢中になるあまり、妻の心の不安や寂しさに気づくことができず、夫婦間の心に距離ができてしまっていて、そのことが深い悩みとなっていたのです。その解決策を求めて探していたところ倫理と出会い、まさに「これだ!」と思ったわけです。
Q.倫理法人会に入って良かったことはなんですか?
A.先ほどの話の続きになりますが、まずは夫婦の問題が解決したことです。入会後、高山に別荘を建てたのですが、勇気を出して妻を誘ったところ喜んで同行してくれました。今でも山菜採りの季節には、ほぼ毎週のように夫婦で通っています。
それから、会社経営においては、「苦難はチャンス」と思えるようになったことですね。リーマン・ショックの時には当社も苦境に立たされましたが、「苦難福門」の言葉通り、オリジナルの商品開発に成功し、国内最大手の家電メーカーから受注をいただきました。その製品が今もずっと当社の売上を牽引しています。
私は、「信ずれば成る」という言葉どおりのことを経験してきました。家庭で起こる問題も事業で起こる問題も、倫理の実践によって解決できると確信しています。大事なのは「信じること」。迷った時は倫理を信じて実践することです。
Q.御社の経営理念があれば教えてください。
A.「よろこび響くものづくり」というのが私共の経営理念です。
栞の17カ条にも「働きは最上の喜び」とありますが、ものづくりはとにかく楽しい仕事です。特に、自分たちでしかお客様の願いを叶えられないような製品ができたときには本当に嬉しい。その感動を言葉にし、経営理念にしたのです。自社以外にはどこにもない製品、どことも比べられない製品を提供できるというのは、設計者冥利に尽きます。開発した製品はいくつかありますが、どれも他社では真似ができないものばかりで、弊社を指名して海外からも発注をいただくようになりました。
こうした発展を見てか、次期社長となる息子も、倫理法人会の後継者倫理塾で学ぶようになりました。信じて続けてきて良かったと心から感じています。
≪編集後記≫
武藤相談役のお話を伺って感じたことは、ものづくりが心からお好きな方だということです。そして、価値ある製品を創りあげていくのと同じように、中川区倫理法人会の基礎を大切に築いてこられたのだということ。会長を退任されてからも、当会の相談役として、また愛知県倫理法人会の会長として、常に倫理の実践と普及に従事してこられた生き方のおかげで、現在の当会があるのだということを強く感じました。